やど有10歳おめでとう、ありがとう。そして…

やど有10歳おめでとう、ありがとう。そして…

 2013年11月18日、約半年の準備期間を経てやど有は、営業許可を受け正式にスタートしました。

 それから少しづつ、様々な国からたくさんのお客様に来ていただき、素敵な出会いにもたくさん恵まれ、やど有と自分は成長してきました。

 そしてコロナ禍と言う災いを通り、

 今日2023年11月18日、やど有は10周年を迎えました。

『10歳おめでとう、おやど。ありがとう、おやど。』

 去年くらいに思っていた事は、

『なんとかここで10周年を迎えて、やどを祝ってあげたい』

 でした。

 それは叶ったんです。

 コロナ禍の中で廃業をされた色んなお店を見てきて、なんとかこの日を、と思っていました。

 でも、それはやどとしては寂しい誕生日です。

 お客様のいない誕生日です。

 やど有は閉めてはいません。

 でも、きちんと営業できているかと言われれば、そうだとは答えられないです。

 リピーターのお客様や、知り合いの方々に来ていただいて、細々とは営業をしています。

 ですが、新規のお客様に来ていただく事はほとんど出来ていません。

 世間はすでに、以前の様に人の流れはあり回り出しているのに、自分はそこに乗れていませんでした。

 詳しくはまた整理のつもりで書きたいとは思ってはいます。

 コロナ禍でお客様がほぼ無くなってそれでも、色々と考えたり動いたりはしていました。

 でもそれと並行して、家族として暮らしている猫たち、うちの子達を、病気や事故で、立て続けに亡くしてきていたんです。

 コロナが始まった頃とほぼ同じ頃から、七人の子供たちを…

 そして先月、病気と闘っていたマシュともお別れをしました。

『好きな事やって猫なんか、贅沢やないか』

 そう言われる事も分かっていますが、自分の子供と思い、自分の命と思うこの子達との別れは、辛すぎました。

 そんな日々の中で、病気の子の看病があったり、日々マーキングやらケンカやらに翻弄され続け、

 自分は何も見えなくなっていきました。

 そしてほぼ閉じこもりの様な生活をしていたんです。

 すると人間、どんどん崩れるもので、日々出来ていた掃除をするどころか、身体を動かそうとする気力まで無くなっていくんですね。

 ダメと分かっていて、尚更焦って、そしてまた…

 本当にすみません。

 謝ってばかりですが。

 世間では皆さんしっかりと働いて生きているのに。

 そして先々日、闘病中のちはやが緊急入院になっています。

 そんな毎日の中で、自分を目覚めさせてくれるのは、やっぱりこの子達なんです。

 マシュやちはやが、しっかり生き直すきっかけをくれていると思うんです。

 今から、また立ち止まる事はあるでしょうが、動いていきます。

 自分に出来る、目の前のことから。

 

 そして最後に報告しなければいけない事を、今まで先延ばしにして、そしてこんな大事な日に言う事を許してください。

 『やど有』の建物の老朽化により、この場所にいられるのは来年3月までなんです。

 やど有は、3月までなんです。

 そんな大事な事を、今まで伝えることができなくて、本当に申し訳ありません。

 10歳の誕生日に、終わりの事を告げるなんて。

 その先の事は何も決まっていません。

 その焦りも自分の心の半分は埋めていました。

 でも、今からですが遅すぎですが、動いていきます。

 自分に出来る事を、目の前から少しづつ。

 

『おやど、10歳おめでとう。おやど、ありがとう。』

 

2023年11月18日

やど有 主 有本 雅紀